神様からすべての美点を与えられ、なんなら王族の姫の降嫁先にも選ばれそうな男性なのに、不幸にも良くない地雷を踏んでしまっただけだ。
とはいえ、他の男性から婚約破棄されて社交界で悪い噂がある令嬢と、間に合わせだとしても結婚しなければならないなんて……これは他でもない自分のことだけど、なんだか可哀想。
「いえ。それは」
「そうだわ。まず先に、これを伝えなくては。モーベット侯爵。私は貴方に愛されなくても、全然平気です」
「全然……愛されなくても? あの、待ってください。僕は」
「あ! ごめんなさい。けど、愛せない妻などと、一生を過ごすなんて嫌ですよね。うーん……それでは、私たち……一年後に、離婚しませんか? それより前に、お互いに好きな人が出来たとしても、離婚しましょう」
そうしましょう? と言わんばかりに微笑みかけた私に、モーベット侯爵はぽかんとした表情になり、沈黙して間を置くと、彼の返事を待っていた私に疑問を返した。
「……それで、貴女は構わないと?」
とはいえ、他の男性から婚約破棄されて社交界で悪い噂がある令嬢と、間に合わせだとしても結婚しなければならないなんて……これは他でもない自分のことだけど、なんだか可哀想。
「いえ。それは」
「そうだわ。まず先に、これを伝えなくては。モーベット侯爵。私は貴方に愛されなくても、全然平気です」
「全然……愛されなくても? あの、待ってください。僕は」
「あ! ごめんなさい。けど、愛せない妻などと、一生を過ごすなんて嫌ですよね。うーん……それでは、私たち……一年後に、離婚しませんか? それより前に、お互いに好きな人が出来たとしても、離婚しましょう」
そうしましょう? と言わんばかりに微笑みかけた私に、モーベット侯爵はぽかんとした表情になり、沈黙して間を置くと、彼の返事を待っていた私に疑問を返した。
「……それで、貴女は構わないと?」



