空気の読める若い執事は邪魔をされたと思っている様子のジョサイアの不機嫌を感じ取ったのか、慌てて扉を閉めた。

「すみません。レニエラ。先に眠っていてください」

 ジョサイアは事態を察したのか、ため息をついてそう言ったけど、私は微笑んで首を横に振った。

「いいえ。謝ることはありません。お仕事ですもの。仕方ないですわ」

「ええ。これから、僕らにはいくらでも時間はありますからね」

 そう言ってジョサイアは自然に近づき、私に結婚式以来のキスをした。


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 結局昨夜帰宅したジョサイアは、深夜遅くの帰宅だったみたいだけど、今朝は朝食も一緒に食べることが出来た。

 なんでも、先方がこれで良いからと指定した提出するはずだった正式な書類に不備があったらしく、彼が責任者だったから帰らざるを得なかったらしい。

 だから、オフィーリア様はジョサイアの担当であることを知りつつ、それをしたのなら本当にすごい女性だと思う。