そして、私はこれからの自分にとって一番良い道、職業婦人として事業を起こし、実業家としての道を選ぼうと心に決めて、これまで着々と準備を進めて来た。
けれど、そんな曰く付きな伯爵令嬢だとしても切羽詰まったモーベット侯爵家からみれば、身分と年齢だって釣り合うし、私を可愛がる叔母アストリッドを通じれば、大きな権力を持つヘイズ公爵にだって尻尾を振ることも出来る。
私側の婚約破棄されたという、過去ひとつさえ除けば、全方面にっこりする解決方法だった。
とりあえず薔薇園の中にある東屋で、隣同士に腰掛けたものの、モーベット侯爵は私に何も言わない。
……どうしてかしら。こんなことを私が言うのもなんだけど、私たち二人は結婚するしかない状況だけど。
モーベット侯爵のご両親は「是非、息子との結婚をお願いしたい」と、私との結婚を賛成しているとアストリッド叔母様から聞いたけど、こんな事態にならなければ、彼ならばどんな女性でも妻にと望めたのに。
もしかしたら……愛のない結婚の妻とは言え、彼だって思うところがあり、色々と言いづらいのかもしれない。
けれど、そんな曰く付きな伯爵令嬢だとしても切羽詰まったモーベット侯爵家からみれば、身分と年齢だって釣り合うし、私を可愛がる叔母アストリッドを通じれば、大きな権力を持つヘイズ公爵にだって尻尾を振ることも出来る。
私側の婚約破棄されたという、過去ひとつさえ除けば、全方面にっこりする解決方法だった。
とりあえず薔薇園の中にある東屋で、隣同士に腰掛けたものの、モーベット侯爵は私に何も言わない。
……どうしてかしら。こんなことを私が言うのもなんだけど、私たち二人は結婚するしかない状況だけど。
モーベット侯爵のご両親は「是非、息子との結婚をお願いしたい」と、私との結婚を賛成しているとアストリッド叔母様から聞いたけど、こんな事態にならなければ、彼ならばどんな女性でも妻にと望めたのに。
もしかしたら……愛のない結婚の妻とは言え、彼だって思うところがあり、色々と言いづらいのかもしれない。



