「……はい。僕はこれは姉を取り戻そうとしているのではないかと、そう思うんです。あの異常者には、話は通じません。自分が悪い部分は全て棚に置いた上で、何も悪いことをしていない姉を自分勝手な理由で責め立てるのではないかと、僕は心配しています」

 そういえば、この前に来た時にアメデオはジョサイアと話しがしたいと言っていたはず。きっと、これを話すつもりだったんだわ……自分の弟だけど、なんて良い子なの。

 私は可愛い弟からの愛にじーんとして、自然と涙が潤みそうになった。

「それには心配ない。今、ショーン・ディレイニーが、僕に何かを意見出来る立場にないことは明白だ。一介の騎士風情が、僕に何が出来る。あいつは爵位も持っていない」

 ジョサイアは冷たい眼差しをして、ここには居ないショーンへの怒りの圧を強めているような辛辣な口調だった。

 ここまで夫ジョサイアは妻の私には、優しくて良い部分しか見せていなかったので、本当に驚いた。

 そして、昨日オフィーリア様が言っていたことをパッと思い出した。

『ジョサイアは貴女には、優しいと思うわ。ちゃんと話したら、理解しようとしてくれると思う』