「アメデオ。それは、言い過ぎよ」
いくらショーンが正真正銘に馬鹿だったとしても、あまり口に出して良いことではなかった。
「ごめん……けど、あいつは姉さんが自分のことを好きなんだと慢心し、泣きそうな顔を見るのが好きだったんだよ。僕にはそれがわかっていたから、本当に嫌いだったんだ。どうにかならないかとずっと思っては居たんだけど、馬鹿が婚約破棄を言い出して……本当に良かったと思って居たのに」
「けど……どうして、私とジョサイアの婚姻書類が受理されたの? だって、書類上、私と婚約していることになっていたのは、ショーンなんでしょう?」
「だって、姉さんはジョサイア義兄さんと、婚約はしていないだろう?」
アメデオにそう言われて、私ははっと気がついた。
適齢期の貴族は大抵婚約してから、一年間公示期間を経てからの結婚式へ。式の準備なども大変だし、通常の場合は、その程度の期間は結婚せずに婚約者として過ごす。
「そうだわ。私たち、すぐに結婚式をしたから……」
私とジョサイアの結婚は、そういう意味で異例づくめだった。だって、花嫁が逃げた後の穴埋めなのよ!
いくらショーンが正真正銘に馬鹿だったとしても、あまり口に出して良いことではなかった。
「ごめん……けど、あいつは姉さんが自分のことを好きなんだと慢心し、泣きそうな顔を見るのが好きだったんだよ。僕にはそれがわかっていたから、本当に嫌いだったんだ。どうにかならないかとずっと思っては居たんだけど、馬鹿が婚約破棄を言い出して……本当に良かったと思って居たのに」
「けど……どうして、私とジョサイアの婚姻書類が受理されたの? だって、書類上、私と婚約していることになっていたのは、ショーンなんでしょう?」
「だって、姉さんはジョサイア義兄さんと、婚約はしていないだろう?」
アメデオにそう言われて、私ははっと気がついた。
適齢期の貴族は大抵婚約してから、一年間公示期間を経てからの結婚式へ。式の準備なども大変だし、通常の場合は、その程度の期間は結婚せずに婚約者として過ごす。
「そうだわ。私たち、すぐに結婚式をしたから……」
私とジョサイアの結婚は、そういう意味で異例づくめだった。だって、花嫁が逃げた後の穴埋めなのよ!



