「嫌ってなんかいるはずがないよ……ショーンは幼い頃から姉さんのことが、大好きだったじゃないか。だからこそ、虐めていたことに気がつかなかったんだね。姉さんらしいよ」
アメデオの眼鏡の奥の目は、私を見て心底呆れているようだった。
それには、到底納得出来ない。好きな女性にあれをする理由が、まずわからなさすぎる。眉を寄せて私は抗議した。
「……嘘でしょう? どこの世界に大好きな女性の着ているドレスを貶して、髪を引っ張る男性が居るの? しかも、ショーンはあの時二十歳だったのよ? 好きな女の子に意地悪するのなら、十歳の男の子ならまだしも、わかるけど……」
私よりも三つ年上のショーンは、なぜか十五歳を超えた辺りから、とても冷たくなった。
こんなことを言ってしまうのも悲しいことだけど、婚約破棄前の何年かのショーンは婚約者の私のことなんて、なんとも思って居ない様子だったのに。
「良かったね。ショーン・ディレイニーが、その世にも珍しい存在で生きている証拠だ。歴史に名を残すかもしれない……とんでもなく、馬鹿な男として」
皮肉げに言ったアメデオは、遠い目になって言った。
アメデオの眼鏡の奥の目は、私を見て心底呆れているようだった。
それには、到底納得出来ない。好きな女性にあれをする理由が、まずわからなさすぎる。眉を寄せて私は抗議した。
「……嘘でしょう? どこの世界に大好きな女性の着ているドレスを貶して、髪を引っ張る男性が居るの? しかも、ショーンはあの時二十歳だったのよ? 好きな女の子に意地悪するのなら、十歳の男の子ならまだしも、わかるけど……」
私よりも三つ年上のショーンは、なぜか十五歳を超えた辺りから、とても冷たくなった。
こんなことを言ってしまうのも悲しいことだけど、婚約破棄前の何年かのショーンは婚約者の私のことなんて、なんとも思って居ない様子だったのに。
「良かったね。ショーン・ディレイニーが、その世にも珍しい存在で生きている証拠だ。歴史に名を残すかもしれない……とんでもなく、馬鹿な男として」
皮肉げに言ったアメデオは、遠い目になって言った。



