けど……出来れば、顔合わせの日から、全部やり直したい。強がって、彼の言葉を先回りして、早とちりして……なんだか、今、とても恥ずかしい事態になってしまった。

「え? なんで、疑問形なんですか?」

 一旦仕事の手を止めたカルムは、私が戸惑っていることが、不思議な様子だ。

「……ねえ、カルム。私、彼に愛して欲しいなんて望んでないって、言ってしまったんだけど……それを挽回するには、どうしたら良いと思う?」

「あ……そうなんですか……どうにも、複雑な事態になっていますね」

 力仕事でにじむ汗を布で拭ったカルムは、言葉の通り複雑そうな表情をした後、にっこり笑って言った。

「あれは間違いだと気がついたので、これからは愛して欲しいって、その人に素直に伝えれば良いと思いますよ」

「……そうなの?」

 そんなにも、簡単なことなの?

「そうです! 大体は、何も言わなくてこじれるんですから、自分のして欲しいと思うことは、素直に口に出した方が良いですよ」

 カルムの言葉を聞いてそれもそうねと、私は何度か頷いた。素直に言えば良いんだわ。

 私もジョサイアのことが、好きですって。