「あ……確かに、そうかもしれないです……」

 ジョサイアは、真面目な性格だ。だから、仕えるアルベルト様の治世が不安定なのに、身近な自分の何かで世間を騒がせたくないと考えていたのかもしれない。

「けど、それって、ジョサイアの問題でしょ? 私には、一切関係ないもの」

「そ……それは、確かにそうです」

 それは、ごもっとも過ぎて何も言えない。婚約者なのだから、ジョサイアの仕事の事情は理解すべきとは言っても、二人の問題なのだから、それは彼女が決めることだ。

「親に決められた婚約者だからと、他の女性を想い続ける男に一生愛している振りをされるなんて、絶対に嫌なの。私は愛する人に愛されて、そして、そんな結婚するのに値する人なの」

「……はい。そうですね。確かに、そう思います」

 彼女の言い分を聞いて、私は自然とそう言っていた。

 オフィーリア様は確かに、私が当初から思っていた通り、我が儘な自分勝手な部分を持っている女性なのかもしれない。

 ……けど、彼女が誰にどう思われても自分の望む幸せを欲したいと思うことに、誰が文句を言えるというの?