夜中にも関わらず荒っぽく追い出されていた二人を見れば、私だってアーロンの機嫌を損ねてしまったなら、あんな風に追い出されないかと心配になった。
一目で意図がわかりやすい煽情的なドレスを着て再婚相手を探そうと、私が夜会会場に居たのは、まぎれもなく事実なのだから。
「……もし、万が一、そのようなことになれば、旦那様は必ず奥様の居場所を用意なさいます。何も心配することはありません」
「そう。良かったわ……」
その時、控えめに扉を叩く音がして、私はいつものように朝食をワゴンに載せたメイドが入って来るのかと思った。
「良いわ。入って……」
けれど、扉を開けて堂々とした足取りで入って来たのは、夫アーロンだった。昨夜とは違い、きちんと身嗜みを整えた彼は、朝の眩い光に映える美丈夫だった。
無造作に切られていた髪も今は短く整えられ、見ただけで胸が高鳴ってしまう程の男性だった。
「……クウェンティン。ブランシュの部屋に居たのか」
「おはようございます。旦那様」
アーロンは私の顔を見て微笑んでくれたのに、何を言うべきか迷った挙句、何も言えなかった。
一目で意図がわかりやすい煽情的なドレスを着て再婚相手を探そうと、私が夜会会場に居たのは、まぎれもなく事実なのだから。
「……もし、万が一、そのようなことになれば、旦那様は必ず奥様の居場所を用意なさいます。何も心配することはありません」
「そう。良かったわ……」
その時、控えめに扉を叩く音がして、私はいつものように朝食をワゴンに載せたメイドが入って来るのかと思った。
「良いわ。入って……」
けれど、扉を開けて堂々とした足取りで入って来たのは、夫アーロンだった。昨夜とは違い、きちんと身嗜みを整えた彼は、朝の眩い光に映える美丈夫だった。
無造作に切られていた髪も今は短く整えられ、見ただけで胸が高鳴ってしまう程の男性だった。
「……クウェンティン。ブランシュの部屋に居たのか」
「おはようございます。旦那様」
アーロンは私の顔を見て微笑んでくれたのに、何を言うべきか迷った挙句、何も言えなかった。



