常にゆったりと構え余裕ある態度を崩さず、どんな不測の事態も予定通りであるという表情を見せなければ、部下に対し不安を呼ぶことはしてはいけない。
ああ……そうだ。とにかく俺の言う事さえ聞いて居れば、絶対に勝てるのだと信じさせなくは。
事実にするのも、この俺だ。絶対に負ける訳にはいかない。
深夜に及ぶ長い作戦会議を終え、俺が部屋へ戻ろうとすると、副官ジェームスが後に続き、静かな廊下で質問をした。
「閣下。しかし、閣下は出征前に、結婚されたばかりではないですか。亡くなったと聞けば、細君は悲しまれるでしょう」
それは、そうだろう。この男も参列する予定だった、結婚式のことだ。
あと数時間襲撃の知らせが届くのが遅ければ、花嫁から離れがたかったはずなので、逆に運が良かったのかもしれない。
それに、絶対に負けられないという理由も出来た。
「ああ……軍の将たる俺がここで敗れれば、その妻が敗戦国でどんな扱いを受けるかを考えてみろ。死ぬよりも、辛い目に遭うだろうな」
言葉に詰まったジェームスはそれからは、何も言わなかった。
ああ……そうだ。とにかく俺の言う事さえ聞いて居れば、絶対に勝てるのだと信じさせなくは。
事実にするのも、この俺だ。絶対に負ける訳にはいかない。
深夜に及ぶ長い作戦会議を終え、俺が部屋へ戻ろうとすると、副官ジェームスが後に続き、静かな廊下で質問をした。
「閣下。しかし、閣下は出征前に、結婚されたばかりではないですか。亡くなったと聞けば、細君は悲しまれるでしょう」
それは、そうだろう。この男も参列する予定だった、結婚式のことだ。
あと数時間襲撃の知らせが届くのが遅ければ、花嫁から離れがたかったはずなので、逆に運が良かったのかもしれない。
それに、絶対に負けられないという理由も出来た。
「ああ……軍の将たる俺がここで敗れれば、その妻が敗戦国でどんな扱いを受けるかを考えてみろ。死ぬよりも、辛い目に遭うだろうな」
言葉に詰まったジェームスはそれからは、何も言わなかった。



