前妻であるカーラお母様が三年前に亡くなり、喪が明けてすぐにお父様が再婚した後妻グレイスは、当然のように前妻の娘である私を虐げた。
自身の連れ子義妹ハンナを偏重して可愛がり、身体は大柄な彼女より小さいからと、年上のはずの私は、いつもハンナのお下がりのドレスを着ていた。
今だって、そうだ。使用人の仕事を手伝い薄汚れてしまったドレスを着ている私を見て、この家の正統な血を受け継ぐ、れっきとした貴族令嬢だとは誰も思うまい。
貴族間としての大人の事情で、自分よりも身分の高い公爵家の出である義母には父は逆らえず、私が虐められていても、見て見ぬ振り知らない振りだった。
……それなのに、今までのことを私には悪かったと思ってる……ですって?
血の繋がった娘の私が、どんなに虐められようが何をされようが、これまで我関せずで傍観して黙っていたと言うのに。
本来ならば、一年前に社交界デビューするはずだった私は、これまでに社交らしい社交をしたことがない。義母の目を考えれば、出来なかったのだ。
自身の連れ子義妹ハンナを偏重して可愛がり、身体は大柄な彼女より小さいからと、年上のはずの私は、いつもハンナのお下がりのドレスを着ていた。
今だって、そうだ。使用人の仕事を手伝い薄汚れてしまったドレスを着ている私を見て、この家の正統な血を受け継ぐ、れっきとした貴族令嬢だとは誰も思うまい。
貴族間としての大人の事情で、自分よりも身分の高い公爵家の出である義母には父は逆らえず、私が虐められていても、見て見ぬ振り知らない振りだった。
……それなのに、今までのことを私には悪かったと思ってる……ですって?
血の繋がった娘の私が、どんなに虐められようが何をされようが、これまで我関せずで傍観して黙っていたと言うのに。
本来ならば、一年前に社交界デビューするはずだった私は、これまでに社交らしい社交をしたことがない。義母の目を考えれば、出来なかったのだ。



