会えないままな軍神夫からの殺人的な溺愛

「だが、ひとたび戦いが起これば一年も……いや、それ以上に妻に会えなくなる。それは、嫌だ」

 ため息をついたアーロンだけど、私は彼が簡単に辞められないだろうと予想し、何も言わないことにした。

 きっと辞められるわと励ます事は簡単だけど、きっと、キーブルグ侯爵位を維持させる事を考えれば、辞められないはしないもの。


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「まあ……すごく素敵だわ」

「ゆっくりまわろう。近くに宿を取っても良い」

 観光で栄えているという小さな村には可愛らしい土産もの屋が建ち並び、私はどこの店に入ろうかと目移りしてしまった。

「……どれもこれも、可愛いわ。どうしようかしら」

 アーロンに困ったように問いかければ、彼は苦笑して頷いた。

「選ぶなら時間を掛けても良いし、どれも欲しいと迷うのなら、店ごと全部買い取っても良いが」

「それは、しないで!」

「冗談だよ」

 キーブルグ侯爵家はお金に困っていないことは私だってわかっているけれど、これだけの土産ものをすべて買い取りするなんて、置き場所にも困ってしまう。