身嗜みを整えるような余裕などはなかったせいか、近付いた時にムッとするような汗の匂いもしたけれど……私は何故か、それが不快だと感じなかった。
夫アーロンは絵姿は嫌いらしく、家には一枚も残されていなかった。
けれど、アーロンは話に聞いていた通り、鍛えられた肉体を持つ美男子で、不機嫌な怒り表情を見せつつも、生粋の貴族であるせいか、粗野な荒々しさは感じさせない。
ああ。嘘でしょう……私の夫は、生きていたんだ。こうして、戻って来たんだ。
アーロンがこうして目の前に確かに存在しているのだから、わかってはいるけれど、とても信じられなかった。だって、亡くなったと思って一年間を過ごしてきたから、覆された事実がなかなか受け止められない。
アーロン・キーブルグがこの世にはもう居ないという前提で、妻である私は何もかもを進めて来たからだ。
激しい迫力を持つ夫アーロンは、自分の上着を着た私の手をひっつかみ、広い会場を大股で歩き出した。
歩く速度の速い彼に先導されて私はつんのめるようにして、早足で後に続いた。
夫アーロンは絵姿は嫌いらしく、家には一枚も残されていなかった。
けれど、アーロンは話に聞いていた通り、鍛えられた肉体を持つ美男子で、不機嫌な怒り表情を見せつつも、生粋の貴族であるせいか、粗野な荒々しさは感じさせない。
ああ。嘘でしょう……私の夫は、生きていたんだ。こうして、戻って来たんだ。
アーロンがこうして目の前に確かに存在しているのだから、わかってはいるけれど、とても信じられなかった。だって、亡くなったと思って一年間を過ごしてきたから、覆された事実がなかなか受け止められない。
アーロン・キーブルグがこの世にはもう居ないという前提で、妻である私は何もかもを進めて来たからだ。
激しい迫力を持つ夫アーロンは、自分の上着を着た私の手をひっつかみ、広い会場を大股で歩き出した。
歩く速度の速い彼に先導されて私はつんのめるようにして、早足で後に続いた。



