そういえば、アーロンの目の色と同じ色だ。美しい自由な空を映すような瞳の色。

「青なのか……しかし、君は一年間俺の喪に服していたことを知っているんだが、今も黒い服ばかり着ているな……」

 私は嫁いでからは喪服として黒い服を洗い替えを含め、何着か作っただけ。そして、エタンセル伯爵家に居た頃の服は、とても人前で着れるようなドレスはなかった。

「申し訳ありません。私の着ている服が帰ってきたアーロンの気分を害するとは、思いもよりませんでした」

 慌てて謝った私に、アーロンはそう言う意味ではないと言わんばかりに手を振った。

「何も、謝ることはない。クウェンティンに聞けば、あのヒルデガードを当主とするために、再婚して出ていく気だったとか……何もかも全て、俺のせいと言えばそうなんだが、ドレスはいくらでも好きなものを購入してくれ」

「……はい。ありがとうございます」

 そういえば……私はもう、キーブルグ侯爵家を出ていく理由はなくなった。