防音室に入り込んだアミが、
「あっちー」と言う顔で逃げていった。おまえは涼しいところで遊んでなさい。

アミは俺がキーボードやギターを弾く音を嫌がらない。ご近所に配慮して音低めで練習する。ヘッドホンもあるが、アミが心地よさそうなので、たまに音を出して練習する。
俺がキーボードを居間のテーブルに出して弾いていると、アミが興味津々とばかりに近寄ってきて、俺のとなりにちょこんと座る。置物みたいだ。玄関に置いたら福を招きそう。

指慣らしに俺が高校生の頃のヒット曲を適当にアレンジして弾いていたら、アミがキーボードの上に乗ってきた。
(これは)
「飽きたな」

アミが「遊んでほしいモード」に入ってしまった。キーボードの上に乗っかるので、畳の上におろすが、また乗っかってくる。またおろす。また乗っかる。
しばらくネコじゃらしでアミと遊んだ。アミは小さな両手でネコじゃらしをはっしとつかみ、
寝た。
あぁ、やっと仕事できる。