○穂花の家
穂花が帰ってくると、家族たちは外出準備中。
アイナは穂花に今から焼肉に行くことを、得意げに言う。その後ろで、ギャンブルで勝ったことを自慢する継父。
アイナ「私たち、今から焼肉食べに行くからね。あんたは残り物、片付けておいて」
穂花「えっ」
穂花は思わず母を見るが、母は目をそらす。
その夜、穂花は一人で質素な夕飯を済ませる。
穂花「焼肉……けど、あの人たちと行っても」
焼肉は食べたいが、家族といっても楽しくないと想像。
そんなの時に、ふと麒麟の姿が思い浮かぶ。
穂花「変なカッコの人だったけど……優しい雰囲気だった」
そして食事を摂り終わると、合掌し、食器を片付け始める。
穂花「あの猫ちゃん、飼い主のもとで幸せだといいな」
そして、ふと麒麟となら安心して食事ができたかも、と思う。
麒麟と白澤と、ファミレスで笑顔で食事する光景を思い浮かべる穂花。それは彼女が欲している優しい人との、温かい食事風景。
穂花「フェミレス……か」
穂花は少し残念そうに呟く。
○翌日、学校
穂花はいつものように一人で弁当を食べている。
そんな彼女に、意地悪そうな三人の女生徒が声をかけてくる。
生徒1「蛍里〜」
急に話かられて、反射的に弁当を隠し、挙動不審になる穂花。
生徒1「あんた、昨日放課後何してた?」
生徒2「なんか、変な格好した男と会ってたよね?」
穂花(え、昨日? ひょっとして、あの人といたのを見られていた?」
明らかに奇異な見た目の麒麟とのやりとりを、他の生徒に見られていたことを知り、顔を赤くする穂花。
生徒3「ひょっとして、彼氏? やるじゃん、蛍里」
三人の生徒は、明らかに穂花をバカにしてる。
穂花「え、あの人は、そんなんじゃなくて、保護した猫ちゃんの飼い主……」
そう言い訳しても、三人は穂花をからかい続ける。
生徒1「え〜お似合いなのに、もったいない」
生徒2「ほんと、どこであんな服、買ったのかしら」
生徒3「芸術家? よくわかんないけど」
そんな揶揄う三人を、クラスメイトの薫が、間を取り持つように嗜める。
薫「猫拾っただけって。それ以上、追求しない」
クラスのリーダである薫にそう言われると、穂花を揶揄う理由も無くなったので、三人は去ってゆく(いじめというより、気まぐれなからかい)
薫「まったく、恋愛ってなると見境ない」
そんな薫に、穂花はしどろもどろで、礼を言う。
穂花「あ、ありがとうございます。呉さん」
薫は凛々しい王子様女子から、一転して目を輝かせる。 *薫、可愛いもの好き
薫「で、その猫は可愛かった?」
穂花「白くて、可愛かったです」
*学校は治安が良く、浮いている存在の穂花を、いじめることもしない。一方で、そんな環境でも、穂花は友達を作れずにいる。
薫も揶揄いを嗜めた後は、それ以上は穂花に絡むこともなく、他の友達と話し始める。
穂花とは、その程度の関係。
先ほどの三人組も、男子を交えて楽しそうに話している。
すでに穂花のことは、誰も気にかけない。
そんな光景を見て、穂花は一瞬、寂しそうな表情を見せるが、すぐにいつものように一人で弁当を食べ始める。
突然、ガラス窓がビビるような爆音が響く。
何事かとクラスの皆が、窓から校庭を見る。
そして外を見ていた男生徒が、感嘆の声を漏らす。
男生徒「すげ〜レプリカじゃないよな」
校庭には、ひとめで高級とわかるハイパーカーがドリフトしながら校庭に乗り入れてきた。(デザインはオリジナル)
そして、先ほどの女性と三人組がキャッと黄色い声をあげる。
ハイパーカーから降りてきたのは、スーツをビシッと着た美貌の男性、人間形態の麒麟だった。
一方、穂花は出遅れた感じで、興味はあるが他の生徒たちに混じることもできずにいた。
そこに教師が慌てた様子で、やってくる。
ただならぬ様子に、生徒たちも戸惑う。
生徒「先生?」
教師「蛍里、すぐに校長室に来てくれ。いや、生徒指導とかじゃなく、とにかく、すぐに」
普段、問題を起こすことのない穂花が、突然呼び出される。
ハイパーカーと美貌の男性の出現。そして教師の慌てた様子。
突然の非日常の状況に、生徒たちはざわつく。
そして穂花自身も、状況を理解できずに、呆然としている。
○校長室
校長室のドアの前。
教師「いいか、くれぐれも失礼のないよう……いや、蛍里なら大丈夫だと思うけど、念の為」
教師がドアを開けると、次の瞬間、優しく温かい風が校長室の中から吹いてくる。
一瞬、目を閉じる穂花。
そして、ゆっくりと目を開けた前に立っているのは、スーツを着こなした美貌の麒麟。
明らかに、浮世離れした存在に戸惑う穂花。
穂花(すごい綺麗な人……誰?)
先日とファッションが違うので、気づかない穂花。
そして麒麟は、部下に選んでもらったセンスのいいサングラスをかけると、穂花に微笑みかける。
校長「き、君が蛍里くんか……こちらの……」
麒麟は、自分のことを紹介しようとする校長を軽く制すと、そのまま穂花の前にやってくる。
緊張する穂花に、麒麟は優しく語りかける。
麒麟「昨日、ペットの白猫を保護してもらった者です。覚えてくれてますか?」
そのことに衝撃を受ける穂花。
穂花(え、昨日の変な格好の人?!)
残念なファッションのl時と、今の洗練された服装が結び付かずに、軽くパニックになる穂花。
そして麒麟は、スッと穂花に手土産を渡す。
麒麟「これはお礼の羊羹です。お口に合えば幸いです」
穂花(羊羹??)
状況が把握しきれない中、いきなり羊羹を渡されて、さらに混乱する穂花。
穂花が帰ってくると、家族たちは外出準備中。
アイナは穂花に今から焼肉に行くことを、得意げに言う。その後ろで、ギャンブルで勝ったことを自慢する継父。
アイナ「私たち、今から焼肉食べに行くからね。あんたは残り物、片付けておいて」
穂花「えっ」
穂花は思わず母を見るが、母は目をそらす。
その夜、穂花は一人で質素な夕飯を済ませる。
穂花「焼肉……けど、あの人たちと行っても」
焼肉は食べたいが、家族といっても楽しくないと想像。
そんなの時に、ふと麒麟の姿が思い浮かぶ。
穂花「変なカッコの人だったけど……優しい雰囲気だった」
そして食事を摂り終わると、合掌し、食器を片付け始める。
穂花「あの猫ちゃん、飼い主のもとで幸せだといいな」
そして、ふと麒麟となら安心して食事ができたかも、と思う。
麒麟と白澤と、ファミレスで笑顔で食事する光景を思い浮かべる穂花。それは彼女が欲している優しい人との、温かい食事風景。
穂花「フェミレス……か」
穂花は少し残念そうに呟く。
○翌日、学校
穂花はいつものように一人で弁当を食べている。
そんな彼女に、意地悪そうな三人の女生徒が声をかけてくる。
生徒1「蛍里〜」
急に話かられて、反射的に弁当を隠し、挙動不審になる穂花。
生徒1「あんた、昨日放課後何してた?」
生徒2「なんか、変な格好した男と会ってたよね?」
穂花(え、昨日? ひょっとして、あの人といたのを見られていた?」
明らかに奇異な見た目の麒麟とのやりとりを、他の生徒に見られていたことを知り、顔を赤くする穂花。
生徒3「ひょっとして、彼氏? やるじゃん、蛍里」
三人の生徒は、明らかに穂花をバカにしてる。
穂花「え、あの人は、そんなんじゃなくて、保護した猫ちゃんの飼い主……」
そう言い訳しても、三人は穂花をからかい続ける。
生徒1「え〜お似合いなのに、もったいない」
生徒2「ほんと、どこであんな服、買ったのかしら」
生徒3「芸術家? よくわかんないけど」
そんな揶揄う三人を、クラスメイトの薫が、間を取り持つように嗜める。
薫「猫拾っただけって。それ以上、追求しない」
クラスのリーダである薫にそう言われると、穂花を揶揄う理由も無くなったので、三人は去ってゆく(いじめというより、気まぐれなからかい)
薫「まったく、恋愛ってなると見境ない」
そんな薫に、穂花はしどろもどろで、礼を言う。
穂花「あ、ありがとうございます。呉さん」
薫は凛々しい王子様女子から、一転して目を輝かせる。 *薫、可愛いもの好き
薫「で、その猫は可愛かった?」
穂花「白くて、可愛かったです」
*学校は治安が良く、浮いている存在の穂花を、いじめることもしない。一方で、そんな環境でも、穂花は友達を作れずにいる。
薫も揶揄いを嗜めた後は、それ以上は穂花に絡むこともなく、他の友達と話し始める。
穂花とは、その程度の関係。
先ほどの三人組も、男子を交えて楽しそうに話している。
すでに穂花のことは、誰も気にかけない。
そんな光景を見て、穂花は一瞬、寂しそうな表情を見せるが、すぐにいつものように一人で弁当を食べ始める。
突然、ガラス窓がビビるような爆音が響く。
何事かとクラスの皆が、窓から校庭を見る。
そして外を見ていた男生徒が、感嘆の声を漏らす。
男生徒「すげ〜レプリカじゃないよな」
校庭には、ひとめで高級とわかるハイパーカーがドリフトしながら校庭に乗り入れてきた。(デザインはオリジナル)
そして、先ほどの女性と三人組がキャッと黄色い声をあげる。
ハイパーカーから降りてきたのは、スーツをビシッと着た美貌の男性、人間形態の麒麟だった。
一方、穂花は出遅れた感じで、興味はあるが他の生徒たちに混じることもできずにいた。
そこに教師が慌てた様子で、やってくる。
ただならぬ様子に、生徒たちも戸惑う。
生徒「先生?」
教師「蛍里、すぐに校長室に来てくれ。いや、生徒指導とかじゃなく、とにかく、すぐに」
普段、問題を起こすことのない穂花が、突然呼び出される。
ハイパーカーと美貌の男性の出現。そして教師の慌てた様子。
突然の非日常の状況に、生徒たちはざわつく。
そして穂花自身も、状況を理解できずに、呆然としている。
○校長室
校長室のドアの前。
教師「いいか、くれぐれも失礼のないよう……いや、蛍里なら大丈夫だと思うけど、念の為」
教師がドアを開けると、次の瞬間、優しく温かい風が校長室の中から吹いてくる。
一瞬、目を閉じる穂花。
そして、ゆっくりと目を開けた前に立っているのは、スーツを着こなした美貌の麒麟。
明らかに、浮世離れした存在に戸惑う穂花。
穂花(すごい綺麗な人……誰?)
先日とファッションが違うので、気づかない穂花。
そして麒麟は、部下に選んでもらったセンスのいいサングラスをかけると、穂花に微笑みかける。
校長「き、君が蛍里くんか……こちらの……」
麒麟は、自分のことを紹介しようとする校長を軽く制すと、そのまま穂花の前にやってくる。
緊張する穂花に、麒麟は優しく語りかける。
麒麟「昨日、ペットの白猫を保護してもらった者です。覚えてくれてますか?」
そのことに衝撃を受ける穂花。
穂花(え、昨日の変な格好の人?!)
残念なファッションのl時と、今の洗練された服装が結び付かずに、軽くパニックになる穂花。
そして麒麟は、スッと穂花に手土産を渡す。
麒麟「これはお礼の羊羹です。お口に合えば幸いです」
穂花(羊羹??)
状況が把握しきれない中、いきなり羊羹を渡されて、さらに混乱する穂花。


