○前回からの続き
白澤に懐かれ戸惑う穂花。
穂花「けど、うちじゃあ飼えないし、代わりに飼ってくれそうな友達も……いないし」
しかし穂花を見て、ゴロゴロと喉を鳴らす白澤。その顎には、まるでヒゲのようなモフモフが生えている。
その可愛さを目の当たりにし、見捨てるわけにはいけないと決意。
穂花「そうだ、保健所に連絡すれば」
と、携帯を取り出すが、穂花の携帯はガラケーなので、ネット検索できない。
穂花「お母さんに、保健所の番号をしらべてもらうか」
そう言いながら、メールをうとうとした穂花に、麒麟が声をかける。
麒麟(声だけ)「すみません、お嬢さん。その猫、探していたんです」
声に振り向くと、目の前には人間の姿になった麒麟が。
麒麟は人間形態でも美形なのだが、麒麟はファッションセンスが壊滅的に悪い。
穂花は、奇妙な服装に奇妙なサングラスの男がいきなり出現し、後ずさる。
穂花「え、えっと」
麒麟「あ、怪しい物ではありません。あなたが抱っこしているその……白い生き物の主です」
穂花(いや、怪しい!)
警戒する穂花の脇を抜け、白澤は麒麟の元に駆け寄る。
足元の白澤を抱き上げ、にこやかに言う麒麟。
麒麟「ここにいたのか、ハクタク」
そして真面目な感じで、白澤に説教。
麒麟「勝手に外にでちゃあ、ダメ……ですよ」
穏やかなな口調のまま麒麟が怒っていることを悟った白澤が、穂花の方を振り返り「にゃー」と力なく鳴く。
穂花「すごく、人懐っこい猫ちゃんですね」
白澤が懐いている様子を見て、穂花は麒麟が飼い主と認める。
麒麟「いや、この子は人間には、懐かないはずなんですけどね」
猫に懐かれたと思った穂花は、少し嬉しそう。
だけど、サングラスの下の麒麟の目は真相を見極めるために、鋭くなる。
麒麟「ですので、貴方に聞きたいことがあります」
と、麒麟が穂花に素性を尋ねようとした瞬間、白澤の肉球パンチが、麒麟の顎にペタッと当たる。
白澤「にゃにゃ」 *いきなり本題を切り出そうとする麒麟に、白澤が牽制。
麒麟「そうですか、早急すぎますか」
一瞬の沈黙。
穂花「えっと、何を?」
麒麟が独り言を呟いたようにしか見えないので、穂花は戸惑う。
麒麟「い、いえ。飼い猫を保護してもらったお礼に、……た、確か近くにファミレスと言うものがるので、そこでよければお食事でも」
怪しげな男に食事に誘われ、ドン引きの穂花。
穂花「い、いえ。急いでますから」
後退りしながら、白澤に別れを告げる。
穂花「ハクタクちゃん、飼い主さん見つかってよかったね」
ダッシュで麒麟の元から逃げ去る穂花。
取り残される麒麟は、事態を理解できない様子で呟く。
麒麟「わたしは、彼女のことを知りたかっただけなのに。何がいけなかったんでしょうか……」
白澤は麒麟に抱っこされながら、冷めた表情でいう。*先ほどの人間臭い表情
白澤「全部っすよ。そのファッションも、女性への誘いかたも……」「おいらが止めなきゃ、いきなり初対面の相手に『自分の魂の伴侶か?』って聞こうとしたでしょ?」
麒麟「単刀直入が良いと思ったんですが、ダメですか?」
白澤「ダメに決まってます」
麒麟「人間の心は難しいです」
凹む麒麟。
そして二人は、生真面目な表情で、穂花のことを語る。
麒麟「白澤は、あの女性に特別なものを感じたから、聖域を出てまで会いに行ったのですね」
白澤「ええ、だけど感じたのはその片鱗だけ。確実なことはまだ言えません」
麒麟「もし彼女が、伝説にある私の『魂の伴侶』だとしたら……」
白澤「世界が変わりますね」
白澤に懐かれ戸惑う穂花。
穂花「けど、うちじゃあ飼えないし、代わりに飼ってくれそうな友達も……いないし」
しかし穂花を見て、ゴロゴロと喉を鳴らす白澤。その顎には、まるでヒゲのようなモフモフが生えている。
その可愛さを目の当たりにし、見捨てるわけにはいけないと決意。
穂花「そうだ、保健所に連絡すれば」
と、携帯を取り出すが、穂花の携帯はガラケーなので、ネット検索できない。
穂花「お母さんに、保健所の番号をしらべてもらうか」
そう言いながら、メールをうとうとした穂花に、麒麟が声をかける。
麒麟(声だけ)「すみません、お嬢さん。その猫、探していたんです」
声に振り向くと、目の前には人間の姿になった麒麟が。
麒麟は人間形態でも美形なのだが、麒麟はファッションセンスが壊滅的に悪い。
穂花は、奇妙な服装に奇妙なサングラスの男がいきなり出現し、後ずさる。
穂花「え、えっと」
麒麟「あ、怪しい物ではありません。あなたが抱っこしているその……白い生き物の主です」
穂花(いや、怪しい!)
警戒する穂花の脇を抜け、白澤は麒麟の元に駆け寄る。
足元の白澤を抱き上げ、にこやかに言う麒麟。
麒麟「ここにいたのか、ハクタク」
そして真面目な感じで、白澤に説教。
麒麟「勝手に外にでちゃあ、ダメ……ですよ」
穏やかなな口調のまま麒麟が怒っていることを悟った白澤が、穂花の方を振り返り「にゃー」と力なく鳴く。
穂花「すごく、人懐っこい猫ちゃんですね」
白澤が懐いている様子を見て、穂花は麒麟が飼い主と認める。
麒麟「いや、この子は人間には、懐かないはずなんですけどね」
猫に懐かれたと思った穂花は、少し嬉しそう。
だけど、サングラスの下の麒麟の目は真相を見極めるために、鋭くなる。
麒麟「ですので、貴方に聞きたいことがあります」
と、麒麟が穂花に素性を尋ねようとした瞬間、白澤の肉球パンチが、麒麟の顎にペタッと当たる。
白澤「にゃにゃ」 *いきなり本題を切り出そうとする麒麟に、白澤が牽制。
麒麟「そうですか、早急すぎますか」
一瞬の沈黙。
穂花「えっと、何を?」
麒麟が独り言を呟いたようにしか見えないので、穂花は戸惑う。
麒麟「い、いえ。飼い猫を保護してもらったお礼に、……た、確か近くにファミレスと言うものがるので、そこでよければお食事でも」
怪しげな男に食事に誘われ、ドン引きの穂花。
穂花「い、いえ。急いでますから」
後退りしながら、白澤に別れを告げる。
穂花「ハクタクちゃん、飼い主さん見つかってよかったね」
ダッシュで麒麟の元から逃げ去る穂花。
取り残される麒麟は、事態を理解できない様子で呟く。
麒麟「わたしは、彼女のことを知りたかっただけなのに。何がいけなかったんでしょうか……」
白澤は麒麟に抱っこされながら、冷めた表情でいう。*先ほどの人間臭い表情
白澤「全部っすよ。そのファッションも、女性への誘いかたも……」「おいらが止めなきゃ、いきなり初対面の相手に『自分の魂の伴侶か?』って聞こうとしたでしょ?」
麒麟「単刀直入が良いと思ったんですが、ダメですか?」
白澤「ダメに決まってます」
麒麟「人間の心は難しいです」
凹む麒麟。
そして二人は、生真面目な表情で、穂花のことを語る。
麒麟「白澤は、あの女性に特別なものを感じたから、聖域を出てまで会いに行ったのですね」
白澤「ええ、だけど感じたのはその片鱗だけ。確実なことはまだ言えません」
麒麟「もし彼女が、伝説にある私の『魂の伴侶』だとしたら……」
白澤「世界が変わりますね」


