「そ、そんなこと――」


美月は顔に熱が登っていくのを感じ、思わず顔をそらす。


「言わないなら……続けるぞ。」

「え?」



 ホームズの唇が、美月の首筋に触れた。


「……っ!!!」



 その感触に、美月の全身が一瞬で熱くなる。



「ほ、ホームズさんっ!!ずるいです! 私が抵抗できないの知ってて……!」



「では、口を割るんだ。」



 ホームズは意地悪そうに笑う。
 その顔があまりにも色っぽくて、美月は顔を真っ赤にした。



「……モ、モリアーティ教授……。」



 その名を告げた瞬間、ホームズの表情が一変した。
 すっと立ち上がり、冷たい理性が戻る。



「……そいつで間違いないのか?」

「た、多分……」



 ホームズは短く息を吐き、背を向ける。




「そうか。もういい、部屋へ戻れ。」