ホームズの声が鋭く響いた。



 その瞬間、部屋の空気が凍りついたようだった。

「これは私の仕事だ。君は関わるべきではない。」




 ホームズの瞳には、感情の影が一瞬よぎった。
 けれどその奥に、いつもの鉄のような理性が戻っていた。




 美月は唇を噛んだ。

「……分かりました。」






小さな声でそう言って、部屋を出た。
 扉の閉まる音が静かに響く。



 残されたホームズは、指先で自分の眉間を押さえた。



「……守るとは、難しい言葉だな。」