喉の奥が乾き、息が詰まる。




「……まさか、この世界でも、本当に……?」



 そこへワトソンが部屋に入ってきた。

「どうした、美月? 顔色が悪いぞ」

「ワトソンさん!これ……! この記事、読まれました?」

「うむ。あぁ、これか……。今朝ロンドン警視庁から、ホームズに正式な依頼が届いたよ。」



「依頼……?」


「そう。警視庁は手に負えず、ホームズに“切り裂きジャック”事件の捜査を頼んだんだ。」




 新聞の紙面が手の中でくしゃりと音を立てた。

 美月の心臓が、ずっと早く鳴っている。