ホームズは数秒、黙ったまま目を閉じた。

 そして、深く息を吐いて、渋々頷いた。



「……ワトソン、君が責任を持て。」

「もちろん。」


 その瞬間、私は思わず笑ってしまった。

「ありがとうございます!」

「感謝するのはまだ早い。荒野は君の想像よりも厳しいぞ。」

「大丈夫です、慣れてます!」

「何に?」

「え、えっと……体育の持久走とか!」

「……意味がわからん。」

呆れたように溜め息をつくホームズに、
ワトソンの笑い声が重なった。