私は、そっとホームズの胸に顔を埋めて呟いた。



「ねぇ……ホームズさん。」


「なんだ?」


「アーサーの次の事件は、“パパの誕生日サプライズ”に決まりですね。」



「……また共犯者が増えそうだな。」




ふたりの間に、静かな笑いがこぼれる。


窓の外ではロンドンの夜が優しく灯り、
小さな家族の時間が、穏やかに流れていった。



――愛する人たちと過ごす日常。



それが、ホームズにとっての“最も幸福な謎”だった。