十五分後。
ホームズが駆けつけてきた。
息を切らせることなく、鋭い目で周囲を見渡す。
「泣くな、美月。アーサーは俺が必ず見つける。」
「でも……もし誘拐なんてされてたら……!」
「お前はアーサーの母親だ。落ち着け。思い出せ――最近、アーサーと何か話していたことで心当たりはないか?」
彼の冷静な声に、私は深呼吸した。
そして、思い出す。
「そういえば……私がいた未来の世界にある、ご飯の話をしてたの。"ラーメン"っていう、小麦粉と卵と……醤油とかを使う料理。アーサー、その話には興味津々だったわ。」
ホームズの目が一瞬光った。



