気がつくと、そこにいたはずの息子の姿がなかった。 視界のどこにも見えない。 胸の奥が、一瞬で冷たくなる。 「ハドスン夫人! アーサーが……!」 「まぁ……さっきまで一緒にいたのに……!」 私とハドスン夫人は通りを走り回りながらアーサーの名を呼んだ。 でも、どこにも見当たらない。 声が震え、呼吸が苦しくなっていく。 (どうしようっ…!!) 「アーサーっ!!」 涙がにじんだその時―― 「あれ?美月たちじゃないか。 一体どうしたんだ?」 ワトソン先生が通りかかった。