――その言葉に、美月は思わず両手で頬を押さえた。 「ちょ、ちょっと……! それ、ホームズさんがよく言ってたセリフじゃない!」 アーサーは得意げに笑い、どや顔を決める。 その可愛さに、美月はたまらず抱きしめた。 「もうっ、なんて可愛いの! 本当にホームズさんそっくり!」 「えへへ〜」 その日の昼、美月は胸がいっぱいになっていた。 小さなアーサーが、あの“名探偵の口癖”を真似している―― それは、家族の時間がちゃんと積み重なってきた証のように思えた。