「君は、私にとって“運命”だ。

 それは証拠も理屈もいらない。

 君がこの世界に来たのは、私と生きるため――そう結論づけよう。」




 ホームズは片膝をつき、
 真っ直ぐに美月の瞳を見上げた。




「美月。俺の人生という未解決事件に、君という答えを与えてほしい。

 どうか……結婚してくれないか。」






美月の瞳が潤む。





 雪が降りしきる中、唇が震えるほどの感情があふれた。








「……はい。ホームズさんの推理、正解です!」





 ホームズは立ち上がり、美月の左手に指輪をそっとはめた。


 その瞬間、雪が一層強く舞い、ガス灯の光が二人を包み込んだ。