ふと、部屋の時計が午後六時を告げた。



 ホームズは立ち上がると、外套を羽織り、
「散歩に出よう」と言った。



 雪の舞うベイカー街を二人で歩く。



 道の端にはガス灯が灯り、オレンジの光が二人の影を長く伸ばしていた。



「今日は珍しいですね。ホームズさんから散歩に誘うなんて。」


「……少し確認したいことがあるんだ。」


「確認?」


「君の“未来”についてだ。」