「ねぇ、ホームズさん。そんなに見つめてたら、私、ページ間違えちゃいますよ?」 「観察だ。」 「またそれですか? 観察じゃなくて“惚れてる”って言うんですよ。」 美月が笑うと、ホームズは珍しく頬をかすかに染めた。 「……惚れる、か。言葉の響きは滑稽だが、確かに論理的に説明のつかない現象だな。」 「つまり、それは“はい”ってことですね?」 「……そう解釈しても構わん。」