モリアーティは、まるで旧友を迎えるかのように微笑んだ。



「やはり来たか。まるで、私が書いた筋書き通りだ!」

「貴様……なぜ美月を狙う!」



 モリアーティはゆっくりと近付き、ホームズの顔を見つめた。


「彼女が、未来を知る女だからだ。
 君も気付いていただろう? "美月"は、この時代に存在してはならない存在だと。」



「……それでも、彼女は無関係だ!」



「無関係? 違うな。
 私は見たのだ――あの日、彼女が空から降り立つ瞬間を。
 まるで“神の贈り物”のようだったよ。」




 ホームズの表情が一変した。


「……お前が最初からすべてを見ていたというのか。」


「そうだ。ジャック・ザ・リッパーも私の駒の一つにすぎん。
 彼に命じたのだ――“未来の娘を捕らえよ”とな!」