2025-12-03
『終わり際』
通話を切る前は少し淋しい。
一緒に話していた時間に
終止符を打つ行為だから。
「大好きだよ」と貴方は残し
通話を切られたことがあった。
照れる、大好きだなんて言われ。
惚れる、真っ直ぐに思い慕われ。
先程までイヤホンを通して貴方の声が
私の耳の奥まで入り込んできたけれど
今はもうただ、無音の部屋に1人きり。
たまに部屋の外から車の通る音や
人らが話しながら通る音が聞こえ
この世界で生きているのだと知る。
ベッドに寝そべって天井を眺める。
何も書かれていないというのに私。
天井を眺めながら先程言われたことを
復唱するかのように「大好きだよ」と
少しばかり微笑みながら呟いてみたり。
通話をしていたときに冗談を言われ
「やめて~」と言ってはいたけれど
嬉しくて笑っていたことさえ浮かぶ。
「あー、面白い」と私は通話中
何気なく言ってしまったけれど
貴方も「面白い」と言っていた。
あとは抱きしめてさえくれれば、とは
通話中に何度も抱いた思いだけれども。
やはり会えないとは、辛い。
貴方と寝そべって話したい。
「やめて~」と言っていた情景に足すように
私が貴方にちょっかいを出すシーンが欲しい。
会えないからそんなシーンは
付け足すことができないけど。
「大好きだよ」と貴方に言われたとき
私が貴方を抱きしめるシーンも欲しい。
会えないからそんなシーンも
付け足すことができないけど。
何も書かれていない天井を眺めながら
妄想で天井に落書きをしていく私だが。
気付くとそのまま眠りについていた。
夢の中では貴方と同じベッドに寝て。
「大好きだよ」と呟く貴方に私は
「私も」と言って抱きしめていた。
抱きしめ返される力で貴方が
私をどれだけ愛しているかを
実感できてしまうのだけれど。
まだ私はこれが夢だと気付いていないから
どうか、朝の訪れはいつもより遅れてくれ。
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『終わり際』
通話を切る前は少し淋しい。
一緒に話していた時間に
終止符を打つ行為だから。
「大好きだよ」と貴方は残し
通話を切られたことがあった。
照れる、大好きだなんて言われ。
惚れる、真っ直ぐに思い慕われ。
先程までイヤホンを通して貴方の声が
私の耳の奥まで入り込んできたけれど
今はもうただ、無音の部屋に1人きり。
たまに部屋の外から車の通る音や
人らが話しながら通る音が聞こえ
この世界で生きているのだと知る。
ベッドに寝そべって天井を眺める。
何も書かれていないというのに私。
天井を眺めながら先程言われたことを
復唱するかのように「大好きだよ」と
少しばかり微笑みながら呟いてみたり。
通話をしていたときに冗談を言われ
「やめて~」と言ってはいたけれど
嬉しくて笑っていたことさえ浮かぶ。
「あー、面白い」と私は通話中
何気なく言ってしまったけれど
貴方も「面白い」と言っていた。
あとは抱きしめてさえくれれば、とは
通話中に何度も抱いた思いだけれども。
やはり会えないとは、辛い。
貴方と寝そべって話したい。
「やめて~」と言っていた情景に足すように
私が貴方にちょっかいを出すシーンが欲しい。
会えないからそんなシーンは
付け足すことができないけど。
「大好きだよ」と貴方に言われたとき
私が貴方を抱きしめるシーンも欲しい。
会えないからそんなシーンも
付け足すことができないけど。
何も書かれていない天井を眺めながら
妄想で天井に落書きをしていく私だが。
気付くとそのまま眠りについていた。
夢の中では貴方と同じベッドに寝て。
「大好きだよ」と呟く貴方に私は
「私も」と言って抱きしめていた。
抱きしめ返される力で貴方が
私をどれだけ愛しているかを
実感できてしまうのだけれど。
まだ私はこれが夢だと気付いていないから
どうか、朝の訪れはいつもより遅れてくれ。
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