2025-11-17
『夢』
「夢に出てきました」
或る日、そんな連絡が
僕のもとへ届いたから。
「どんな人でしたか」
会ったこともないわけだし
単純にどういう感じなのか
知りたかったが故に聞いた。
「一緒にゲームをしてくれてて」
「スマートに助けてくれました」
「ゆで卵も作ってくれてました」
この人にとって僕という存在は
スマートに助けてあげるほどに
出来た男性なのだろうと思った。
「どうしてゆで卵なんだろう」
どうして夢でゆで卵を作っていたのか
そこも気になってしまい聞いてみると。
「卵、賞味期限ギリギリだったのかな」
「私はゆで卵好きだけど、好きですか」
些細な会話なのだけれど
きっと夢の中では幸せで
共に過ごしていたのだと
想像をすることができた。
「好きだよ」
僕はただ、質問に対する答えを
文字として返しただけだったが
あまりにも甘ったるい返信だと
今思えば感じられてきて照れる。
「本当は両思いだねって送ろうと思ったけど」
「恥ずかしくて送ることができませんでした」
「たぶん落ちちゃってるんですよ、恋に、私」
女の子って可愛い。
会ったこともない人が夢に出てきて
さぞ嬉しかろうに伝えてきてくれて。
「ごめんね、何か付け足せばよかった」
僕は少し反省をして
そんなことを返した。
「いえ、嬉しかったです」
スマートフォンを通じて
この人が微笑んでいると
考えなくても想像できた。
何気ない言葉だったとしても
それが相手にとっては大事で
胸が高鳴るものかもしれない。
そういえば、嬉しかったな、少し。
「夢に出てきました」と言われて。
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『夢』
「夢に出てきました」
或る日、そんな連絡が
僕のもとへ届いたから。
「どんな人でしたか」
会ったこともないわけだし
単純にどういう感じなのか
知りたかったが故に聞いた。
「一緒にゲームをしてくれてて」
「スマートに助けてくれました」
「ゆで卵も作ってくれてました」
この人にとって僕という存在は
スマートに助けてあげるほどに
出来た男性なのだろうと思った。
「どうしてゆで卵なんだろう」
どうして夢でゆで卵を作っていたのか
そこも気になってしまい聞いてみると。
「卵、賞味期限ギリギリだったのかな」
「私はゆで卵好きだけど、好きですか」
些細な会話なのだけれど
きっと夢の中では幸せで
共に過ごしていたのだと
想像をすることができた。
「好きだよ」
僕はただ、質問に対する答えを
文字として返しただけだったが
あまりにも甘ったるい返信だと
今思えば感じられてきて照れる。
「本当は両思いだねって送ろうと思ったけど」
「恥ずかしくて送ることができませんでした」
「たぶん落ちちゃってるんですよ、恋に、私」
女の子って可愛い。
会ったこともない人が夢に出てきて
さぞ嬉しかろうに伝えてきてくれて。
「ごめんね、何か付け足せばよかった」
僕は少し反省をして
そんなことを返した。
「いえ、嬉しかったです」
スマートフォンを通じて
この人が微笑んでいると
考えなくても想像できた。
何気ない言葉だったとしても
それが相手にとっては大事で
胸が高鳴るものかもしれない。
そういえば、嬉しかったな、少し。
「夢に出てきました」と言われて。
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