ケースを外そうと指をかけたそのとき―― 「……え?」 カバーの裏に、古びた紙の札が一枚、貼られていた。 薄茶色に変色していて、墨で細かい文字が書かれている。 まるで、誰かが封印でもしていたように。 けれど、咲妃は首をかしげただけだった。 “お札? 文化祭の小道具かな?” そんな軽い気持ちで、彼女はその紙を両手でそっと剥がした。