あれから咲妃が平安の生活に少しずつ慣れてきた頃のことだった。


 屋敷に、団子屋のお清が配達にやってきた。

 「こんにちは〜、今日も美味しい団子ですよ!」

 咲妃は、この時代で友達が一人もいなかったため、誰かと気軽に話すだけで胸が躍った。

お清は明るく、話しかけるのが自然で、すぐに咲妃は打ち解けた。

 「お清ちゃん、ありがとう!来てくれて嬉しいです!」

 それからというもの、時々お清が遊びに来てくれるようになり、二人の間には小さな友情が芽生えた。