友達になった人気者が、人間じゃなかった話

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 帰りのホームルームが終わり、教室はこれから部活に向かう人たちと帰る人たちでざわついている。

 昼を過ぎた頃から、清永と目が合わなくなった。

 朝まで普通に話していたのに、と気に懸かる。しかも、珍しくそわそわと落ち着きがない。
 特に気になるのは視線だ。いつもは覗き込んできてまで僕の目を見て喋るのに、今は妙に目が泳いでいる。その上、なぜか喉の辺りばかり見ている気がする。話をしている間も完全にうわの空だ。

 清永の気に障るようなことを、なにかしてしまったのだろうか。

『もう少し隠せ』

 朝のあのひと言が気に入らなかったのかもしれない。
 振り返ってみれば、あのときの僕の口ぶりは少し偉そうだった気もしてくる。

 この微妙な空気感のまま一日を終えるのが嫌で、今日は僕から屋上に誘った。
 幸い、今日は少し涼しい。それに、あそこでなら清永も気楽に話せるのではないかと踏んだ。ところが、屋上への階段を進む清永の足は重そうで、たまりかねた僕はつい尋ねてしまう。