高瀬の言葉を聞き、手にしていた消しゴムが手から滑り落ちた。俺はもう高瀬から目を背けられなくなった。
黙っているとさらに高瀬は言葉を続ける。
「告白しようって決意してたけど、先生を目の前にするとやっぱり言えなくて……。先生と離れて『告白してどうするんだ』『迷惑じゃないか』って悩んで気がついたらもう連絡できなくなったからもう諦めた方がいいのかなって」
俺が高瀬に対する気持ちに気づいたころ、高瀬は俺を諦めようとしていたのか。
「だけどインタビュー受けた後から、どうしても声が聞きたくなって。でも声聞いたら会いたくなってしまうし……本当は告白する気なかったのに、先生が家に呼ぶから」
その言葉に思わず笑ってしまった。
「俺のせいかよ」
「公園で顔見るだけでよかったのに……しかも手に触れてきたりとか、反則でしょ」
「だってお前が寒そうだったから、それにゆっくり話したかったし」
そう言うと、ふいに高瀬は俺の腕を手に取った。突然だったから心臓が飛び出そうなほど驚いた。
「雪ノ下先生、僕のことどう思ってますか?ただの元生徒?」
「え、あ……」
すると高瀬は笑顔を見せる。それは『遊園地に連れてって欲しい』とおねだりをされた時に感じたあざとい笑顔と同じ。
「先生は寂しかったって言ってくれたし、同性にこんな告白されて普通なら拒否するのに、先生は顔を赤らめて僕の話を目も背けずに聞いてくれてる。今だって僕の手を振り解かないし」
そう言えばさっきから顔が熱い。というか、もう見破られている。高瀬はジッと俺の答えを待つ。さっきまであんなに雄弁だったのに。
ああ、もう降参するしかない。
「お、俺が自覚したのは最近だからな」
心臓が口から出てしまいそうだし、顔から火が出そうに熱い。
「ちゃんと聞きたいです、先生」
「〜〜っ」
こんなに意地が悪かったか?と思いながら、心の中でもやもやしていたその言葉をとうとう口にした。
「……高瀬が好きだよ」
すると、高瀬は満足そうな笑顔を見せる。ほんの少しだけ目が潤んでいるのはきっと気のせいではないだろう。俺は何だか力が抜けて高瀬の手を握り返した。
「お前が芸能界復帰するって聞いて、俺に見せていた笑顔をみんなに見せるのかと思ったらイラついたんだ。ただの生徒なら独り占めしたいって思わないし」
一度好きだと口にするともう楽になって、想いを伝える。高瀬は笑顔のまま俺を見つめていた。
「……うん」
「復帰するの誰より先に教えて欲しかったし」
黙っているとさらに高瀬は言葉を続ける。
「告白しようって決意してたけど、先生を目の前にするとやっぱり言えなくて……。先生と離れて『告白してどうするんだ』『迷惑じゃないか』って悩んで気がついたらもう連絡できなくなったからもう諦めた方がいいのかなって」
俺が高瀬に対する気持ちに気づいたころ、高瀬は俺を諦めようとしていたのか。
「だけどインタビュー受けた後から、どうしても声が聞きたくなって。でも声聞いたら会いたくなってしまうし……本当は告白する気なかったのに、先生が家に呼ぶから」
その言葉に思わず笑ってしまった。
「俺のせいかよ」
「公園で顔見るだけでよかったのに……しかも手に触れてきたりとか、反則でしょ」
「だってお前が寒そうだったから、それにゆっくり話したかったし」
そう言うと、ふいに高瀬は俺の腕を手に取った。突然だったから心臓が飛び出そうなほど驚いた。
「雪ノ下先生、僕のことどう思ってますか?ただの元生徒?」
「え、あ……」
すると高瀬は笑顔を見せる。それは『遊園地に連れてって欲しい』とおねだりをされた時に感じたあざとい笑顔と同じ。
「先生は寂しかったって言ってくれたし、同性にこんな告白されて普通なら拒否するのに、先生は顔を赤らめて僕の話を目も背けずに聞いてくれてる。今だって僕の手を振り解かないし」
そう言えばさっきから顔が熱い。というか、もう見破られている。高瀬はジッと俺の答えを待つ。さっきまであんなに雄弁だったのに。
ああ、もう降参するしかない。
「お、俺が自覚したのは最近だからな」
心臓が口から出てしまいそうだし、顔から火が出そうに熱い。
「ちゃんと聞きたいです、先生」
「〜〜っ」
こんなに意地が悪かったか?と思いながら、心の中でもやもやしていたその言葉をとうとう口にした。
「……高瀬が好きだよ」
すると、高瀬は満足そうな笑顔を見せる。ほんの少しだけ目が潤んでいるのはきっと気のせいではないだろう。俺は何だか力が抜けて高瀬の手を握り返した。
「お前が芸能界復帰するって聞いて、俺に見せていた笑顔をみんなに見せるのかと思ったらイラついたんだ。ただの生徒なら独り占めしたいって思わないし」
一度好きだと口にするともう楽になって、想いを伝える。高瀬は笑顔のまま俺を見つめていた。
「……うん」
「復帰するの誰より先に教えて欲しかったし」



