プロローグ リンネ、めぐる。
気がついたら、また生まれていた。
……たぶん、これで七回目くらい。
猫って、けっこう転生するんだよ。
知らなかったでしょ?
名前は――ええと。
あの人が呼んでくれた名前。
「リンネ」。
そう、それだ。
なんだか、ぴったりすぎて笑っちゃう。
でも今回は、少し違う気がする。
体は小さいのに、胸の奥がちょっと痛い。
それに、思い出すんだ。
雪の日。
冷たい空気の中で、
あたたかい手が私を包んでくれたこと。
「いい子ね」って、泣きながら笑ってた女の子。
――あの子、どうしてるかな。
私、ちゃんと恩返しできなかった。
あの日、寒い冬に眠るように息を引き取ってしまったから。
ごめんね。
でも、今度こそ言いたいんだ。
「ありがとう」って。
だから私は探してる。
あの子を。
あの時、私を助けてくれた“ミサキ”を。
きっと、どこかでまた会える気がする。
だって――世界はめぐるんだもの。
命も、想いも。
私はリンネ。
転生する猫。
もう一度、あなたに会いに行く。
> 鈴の音が鳴るたびに、
それはきっと――“愛してる”と同じ音。
気がついたら、また生まれていた。
……たぶん、これで七回目くらい。
猫って、けっこう転生するんだよ。
知らなかったでしょ?
名前は――ええと。
あの人が呼んでくれた名前。
「リンネ」。
そう、それだ。
なんだか、ぴったりすぎて笑っちゃう。
でも今回は、少し違う気がする。
体は小さいのに、胸の奥がちょっと痛い。
それに、思い出すんだ。
雪の日。
冷たい空気の中で、
あたたかい手が私を包んでくれたこと。
「いい子ね」って、泣きながら笑ってた女の子。
――あの子、どうしてるかな。
私、ちゃんと恩返しできなかった。
あの日、寒い冬に眠るように息を引き取ってしまったから。
ごめんね。
でも、今度こそ言いたいんだ。
「ありがとう」って。
だから私は探してる。
あの子を。
あの時、私を助けてくれた“ミサキ”を。
きっと、どこかでまた会える気がする。
だって――世界はめぐるんだもの。
命も、想いも。
私はリンネ。
転生する猫。
もう一度、あなたに会いに行く。
> 鈴の音が鳴るたびに、
それはきっと――“愛してる”と同じ音。



