その日の夜の夕食の時間に私はデュース様から伝えられた王立騎士団の方達がお姉様の行方を探してくれていることを両親に伝えた。
「そうか、王立騎士団の方達がカトレアの行方を探してくれているのだな」
「本当にあの娘ってば周りにこんなに迷惑かけて」
お父様とお母様はいつもと変わらない声色でそう言った後、再びリビングの部屋に沈黙が訪れる。
お姉様がいなくなってからお父様とお母様は以前程、会話をしなくなった。
何が原因で会話が減ったのかは私にはわからないが、もしかしたらお姉様のことが関係しているのかもしれない。
⭐︎°⭐︎°⭐︎°
夕食を食べ終えた私は自室へと戻り、自分の部屋にある机の前まで歩み寄ってから机の引き出しをそっと開ける。
机の引き出しを開けた私はお姉様が置いていった私宛の手紙を手に取り、中に入ってある手紙を取り出す。
お姉様からの手紙には私の幸せを心から願っていることと、聖女の勤めを全部貴方に任せるということが書かれていた。
私はお姉様がいなくなったあの日の夜、お姉様からの手紙を読んで私がお姉様を深く傷つけてしまったことを改めて再認識し、取り返しのつかないことをしてしまったのだとそう思ったのである。
「お姉様…… 私はとても最低な人間ね」
部屋の窓から見える夜の空を見上げれば、星々が煌々と瞬いていた。


