「姫様、どこで黒と出逢ったの?」
「へ?」
黒・・・・?
あ、昨日のあの男性のことか。
それは理解できたが、なぜ出会いを知りたがるか不思議だった。
そして、それは私も同じ気持ち。
あの日、
現実に打ちひしがれた時、
あの人が助けてくれた。
「えっと・・・それは、私も知りたい」
「・・・・・それわかったら・・・黒を理解してやれんのかな」
そのつぶやきに応えたのは、アルゼ。
切ない視線でルーカスを見て、なにか大変なことが起きているのではいかと思う。
「いいんじゃない?黒だってなにか目論見があるんだろうし」
「え?」
「こんな女一人を引き取るなんて、考えられない」
「ううーーー」
「なんかあるんだよ。それでいいじゃん。黒を理解ってそんな簡単じゃないよ」
「せやな・・・・うん」
黒って人が、きっと大物なんだな。
そんな人が私を?
見ず知らずの私を助けてくれたの?
お礼しかないわ。
そうだ、私、今自由なんだ。
ぱあっと明るくなる表情に、ルーカスは驚いた。
あんなにびくついていた私を見たから。
そうだよね。
