「姫が起きたーー」

「お、姫だー」

「おはよう姫ーー」





「へ?」





私が姫なの!!??




「あー、なんか驚いてる」



そこに冷静な小さな男性が出てきた。

そして順番に話をしてくれるらしい。



「まず、僕たちはきみの家に押し掛けた。」

「せやで。そしたらおかんが“持ってって!”って暴言吐いてぇ」

「ルーカス少し黙ってて」

「・・・うい」



そこで私は十分すぎるほど身に染みてわかった。

あぁ、私はあの母親に売られたんだって・・・・・。


「そ、そないに落ち込むことはないんやで。これからは俺らが・・・」

「ルーカス黙って」

「・・・ここのボスは俺やのに・・・・・」


「僕はアルゼ。ここの医師をしている。君は?」


私と近い年齢のような・・・
そこはあえて突っ込まずに、私は答えた。


「私は、フィン・・・・」


応えると、さわやかな笑顔が帰ってくる。


「フィン。君は誰だい?」

「え?」

「何者なの?あの人の何?どうしてあの人は君を助けたの?」

「え?え?」


「待ちやアルゼ。俺のこと言えへんやん。姫が混乱してる」

「いえ、あの、姫って・・・」



私は“姫”って呼ばれたことなくて、驚いた。



「あはは。いや、黒が気にかける子なんてお姫様やん」


「く、ろ?」


「とにかく状況を確認させてもらうから、みんなに挨拶してもらうよ」

「え、あ、はい」


混乱しながらも、私はアルゼについて違う部屋に向かった。