朝のホームルームで、勉強合宿についてのプリントが配られ、簡単な説明があった。六月九日から十二日までの三泊四日で、空気のきれいな山中の施設へ行き、そこで集中的に勉強をするというものだ。
説明によると、成績優秀者を集めたクラスである一組だけが強制参加で、他のクラスは自由参加ということで、ホームルームが終わると同時に「どうする?」「行く?」という声が教室内を飛び交いはじめた。
「直紀、行くか?」
前の席の健太郎がこちらを向いて訊ねてきた。「あー、どうしよっかなあ」と俺はプリントを眺めながら呟いたあとで、「健太郎は?」と逆に訊いてみる。
「俺は行こうと思う。一組は強制参加なんだろ。なっちゃんと四日も離れ離れなんて耐えられん」
答えた健太郎の顔は大真面目だった。ああ、そういえば桜さん一組だったっけ、と俺は遅れて思い出しながら、
「でもこれ、一組は別行動じゃなかった? 行っても、どうせ話す機会はなさそうだけど」
「直紀、おまえはバカか。俺となっちゃんのいる場所が遠くなるのが耐えられないんだろ。たとえ話せなくても、同じ場所にいられればいいんだよ」
心底あきれた調子で向けられた『バカ』に腹は立ちつつ、あいかわらず大真面目な顔で語る健太郎を見ていると反論する気にもなれなかったので、俺は「そうですか」とだけ返しておいた。
説明によると、成績優秀者を集めたクラスである一組だけが強制参加で、他のクラスは自由参加ということで、ホームルームが終わると同時に「どうする?」「行く?」という声が教室内を飛び交いはじめた。
「直紀、行くか?」
前の席の健太郎がこちらを向いて訊ねてきた。「あー、どうしよっかなあ」と俺はプリントを眺めながら呟いたあとで、「健太郎は?」と逆に訊いてみる。
「俺は行こうと思う。一組は強制参加なんだろ。なっちゃんと四日も離れ離れなんて耐えられん」
答えた健太郎の顔は大真面目だった。ああ、そういえば桜さん一組だったっけ、と俺は遅れて思い出しながら、
「でもこれ、一組は別行動じゃなかった? 行っても、どうせ話す機会はなさそうだけど」
「直紀、おまえはバカか。俺となっちゃんのいる場所が遠くなるのが耐えられないんだろ。たとえ話せなくても、同じ場所にいられればいいんだよ」
心底あきれた調子で向けられた『バカ』に腹は立ちつつ、あいかわらず大真面目な顔で語る健太郎を見ていると反論する気にもなれなかったので、俺は「そうですか」とだけ返しておいた。



