翌日学院へ足を運ぶと、ラビは何食わぬ顔ですでに登校していた。
自分のクラスに行くためには、ラビのクラスの前を必ず通らなければならないため、別に知りたくもないラビの表情を知ることになる。
正直言って朝から気分が下がる。
今朝も両親やメイド、執事もが「今日くらいは学院に行かなくていいのではないか?」と提案をしてきた。
理由は簡単だ。俺とラビを合わせたくないのだろう。
それだけで気分が落ち込む。
なぜ俺なんだ?
ラビが学院に来なければいいだけの話じゃないか。
俺じゃなくて、ラビに言えよ。
そんなことを考えていると、ラビと目が合った。
正直気まずい。
俺も人間なわけで、少しやりすぎたとは思っているが、それもこれもすべてラビ悪いと思う。親同士が決めた婚約を鵜呑みにし、俺に嫌われないように毎日必死で媚を売る。毎日媚を売られる側の気持ちにもなってみてほしい。嫌気がさすに決まってる。
ラビも気まずくてどうせすぐに目をそらすだろ。
しかし、ラビの行動は俺が思っていた行動とは180度違っていた。
目が合うと、こちらに笑いかけてきたのだ。
その笑顔は昨日ラビが友達と微笑ましく笑いあっていた時の表情とは少し違っていて、その時よりも笑顔の仲に影があった。
なに無理してまで俺に笑いかけてんだよ。
ほんと「気持ちわりい」。
俺は口パクで「気持ちわりい」とだけ呟き、ラビから目をそらし自分のクラスへと向かった。
昼食の時間になった。
俺はどうせいつもみたいに、ラビが俺のクラスを訪れ昼食を共に食べないかと提案をしてくるとものと思っていた。
俺は今ラビの顔すら見たくないため、いつもより急ぎ目に食堂へと向かう。
俺の予想は的中していたのかどうか分からないが、今朝を最後にラビの姿を見ることは無かった。
ラビがいないだけで、こんなにも過ごしやすいのか。
俺は感動を覚えていた。
そしたら次に考えることは一つ。
ラビを学院に来れなくさせればいい。
そうすれば俺は過ごしやすい学院生活を送ることができるのだから。
問題は、どのようにしてラビを学院に来れなくさせるかだ。
...そうか、ラビの奴。
俺への誕生日プレゼントに窃盗品を贈ろうとしていたな。
貧乏貴族であるラビがあんな高価な時計を買えるわけがない。
ラビは犯罪者だ!
■ ■ ■ ■ ■
翌日ラビが少し暗い表情を浮かべながら登校すると、いつもと学院の雰囲気が違う事に気が付いた。
皆ラビを見て、怪訝そうな表情を浮かべたり、近くの者と噂話を始める者もいた。
ラビはその意味が理解できずにいたが、気のせいだろうと思い自分のクラスへと入る。
そこでラビが目にしたものは想像もしていない光景であった。
教卓側の黒板にはでかでかと
「ラビリットは貧乏貴族」
「婚約者へのプレゼントに窃盗品を贈るゴミ」
「セルドニア学院に犯罪者の席はない」
などと綴られていた。
ラビはすぐにクラスメイトへ目を向ける。
しかし誰もラビと目を合わせようとしない。
浅い呼吸が短時間に何度も繰り返されていく。
視界が徐々にぼやけて、何も見えなくなっていく。
ラビはたまらず教室を飛び出した。
ラビの誤算はここからだった。
飛び出した教室の前で陣取っていた者たちがいた。
彼女らはルカとすでに関係を持ったことのある者たちであった。
「あなた犯罪者の癖に、ルカ様の婚約者をしてらしたの?」
「ルカ様のためにも、早く婚約破棄されてはいかが?」
「早くルカ様を解放して差し上げて。ほんと気持ち悪い。」
ラビはなぜ自分が犯罪者呼ばわりされているかは分からなかったが、今自分が置かれている状況を作り出した人物が誰なのかは理解していた。
その日以降、ラビは学院に来ることはなかった。
自分のクラスに行くためには、ラビのクラスの前を必ず通らなければならないため、別に知りたくもないラビの表情を知ることになる。
正直言って朝から気分が下がる。
今朝も両親やメイド、執事もが「今日くらいは学院に行かなくていいのではないか?」と提案をしてきた。
理由は簡単だ。俺とラビを合わせたくないのだろう。
それだけで気分が落ち込む。
なぜ俺なんだ?
ラビが学院に来なければいいだけの話じゃないか。
俺じゃなくて、ラビに言えよ。
そんなことを考えていると、ラビと目が合った。
正直気まずい。
俺も人間なわけで、少しやりすぎたとは思っているが、それもこれもすべてラビ悪いと思う。親同士が決めた婚約を鵜呑みにし、俺に嫌われないように毎日必死で媚を売る。毎日媚を売られる側の気持ちにもなってみてほしい。嫌気がさすに決まってる。
ラビも気まずくてどうせすぐに目をそらすだろ。
しかし、ラビの行動は俺が思っていた行動とは180度違っていた。
目が合うと、こちらに笑いかけてきたのだ。
その笑顔は昨日ラビが友達と微笑ましく笑いあっていた時の表情とは少し違っていて、その時よりも笑顔の仲に影があった。
なに無理してまで俺に笑いかけてんだよ。
ほんと「気持ちわりい」。
俺は口パクで「気持ちわりい」とだけ呟き、ラビから目をそらし自分のクラスへと向かった。
昼食の時間になった。
俺はどうせいつもみたいに、ラビが俺のクラスを訪れ昼食を共に食べないかと提案をしてくるとものと思っていた。
俺は今ラビの顔すら見たくないため、いつもより急ぎ目に食堂へと向かう。
俺の予想は的中していたのかどうか分からないが、今朝を最後にラビの姿を見ることは無かった。
ラビがいないだけで、こんなにも過ごしやすいのか。
俺は感動を覚えていた。
そしたら次に考えることは一つ。
ラビを学院に来れなくさせればいい。
そうすれば俺は過ごしやすい学院生活を送ることができるのだから。
問題は、どのようにしてラビを学院に来れなくさせるかだ。
...そうか、ラビの奴。
俺への誕生日プレゼントに窃盗品を贈ろうとしていたな。
貧乏貴族であるラビがあんな高価な時計を買えるわけがない。
ラビは犯罪者だ!
■ ■ ■ ■ ■
翌日ラビが少し暗い表情を浮かべながら登校すると、いつもと学院の雰囲気が違う事に気が付いた。
皆ラビを見て、怪訝そうな表情を浮かべたり、近くの者と噂話を始める者もいた。
ラビはその意味が理解できずにいたが、気のせいだろうと思い自分のクラスへと入る。
そこでラビが目にしたものは想像もしていない光景であった。
教卓側の黒板にはでかでかと
「ラビリットは貧乏貴族」
「婚約者へのプレゼントに窃盗品を贈るゴミ」
「セルドニア学院に犯罪者の席はない」
などと綴られていた。
ラビはすぐにクラスメイトへ目を向ける。
しかし誰もラビと目を合わせようとしない。
浅い呼吸が短時間に何度も繰り返されていく。
視界が徐々にぼやけて、何も見えなくなっていく。
ラビはたまらず教室を飛び出した。
ラビの誤算はここからだった。
飛び出した教室の前で陣取っていた者たちがいた。
彼女らはルカとすでに関係を持ったことのある者たちであった。
「あなた犯罪者の癖に、ルカ様の婚約者をしてらしたの?」
「ルカ様のためにも、早く婚約破棄されてはいかが?」
「早くルカ様を解放して差し上げて。ほんと気持ち悪い。」
ラビはなぜ自分が犯罪者呼ばわりされているかは分からなかったが、今自分が置かれている状況を作り出した人物が誰なのかは理解していた。
その日以降、ラビは学院に来ることはなかった。


