遊園地でのデートから数日が経った
新しい世界は、何一つ劇的な変化を見せることなく、静かに、そして確実に続いていた
朝、目覚めるたびに感じるのは、胸を締め付けていた過去の孤独ではなく、日向という温かい存在がもたらす揺るぎない安堵感だ
授業と授業の合間、俺は後ろの席の日向を振り返る
日向は、友人と笑いながら、たまに真剣な顔で教科書を広げている
周囲の生徒たちにとって、彼は依然としてクラスの中心の鈴井日向だ
昨日まで、その姿に湧き上がった嫉妬心も、もう影を潜めていた
日向は俺の視線に気づくと、そっと口角を上げる
日向との間で交わした言葉はすべて本物だ
そしてすべてが俺だけのものだという確信が、俺を支えている
「凛、この後少し付き合ってくれ」
放課後、日向がそう言って、自然な動作で俺の手を取る
二人で歩き出す通学路で、俺は繋いだ手を強く握り返した
この先、また困難や不安が訪れるかもしれない
それでも、俺はもう一人ではない
俺には、俺のすべてを愛し、守ってくれる日向がいる
そして、俺も日向を、彼の弱さもすべて含めて、愛し続ける
「凛、なんかあった?」
小さく笑ってしまった俺に日向は不思議そうな顔を向ける
俺は日向の方を向き
「内緒!」
と悪戯っぽく言ってやる
俺の心の中でずっと煌めかせていたい、大事な気持ちなんだ
「ははっ、なら聞かねぇよ。いい事みたいだしな」
日向は愛おしむように俺の頭を撫でた
それは、誰も見ていない、二人だけの世界での、小さな永遠の誓いだった
俺の新しい世界は、日向という名の、嘘のない光の中で、これからもずっと、輝き続ける

