四人法


 本当にこの「四人法」が形になるかどうかは、まだ誰にも分からない。

 拓、さやか、潤子、そして暖。

 この四人でなければ、意味がない。

 たとえ誰かに恋をしたとしても、この四人の関係は絶対だ。

 今も、四人は悩み続けている。

 何が正しいのか。

 何が間違っているのか。

 ――それでも、この四人だけの形を信じて、進んでいく。

「拓さん、これ、どうする?」

 玄関先で靴を履いている拓に暖が声をかけた。

「いや、それはここに置いといて。四人法の資料、ちゃんと読んだけど……よかったよ。これで通るといいな」

 拓は靴ひもをきゅっと結びながら、後ろにいた暖に話しかけた。

「…そうだね。潤子さんは、まだ準備中?」

 暖はリビングの方へ目を向けて聞いた。

「まだ、支度してたみたい」

 さやかがリビングから玄関へやってきた。

 彼女はフルメイクにきっちりとしたスーツ姿。

 普段とは違う雰囲気に、暖が思わず目を見張った。

「珍しいね、さやかさんのスーツ姿」

 足元から視線を上げて、暖がそう言う。

「どう? 似合ってる?」

 さやかが少し得意げにポーズを取る。

「うーん……普通」

 淡々と答える暖。

「なんだと……!」

 さやかは暖の頭をぐりぐり撫でて、怒ったふりをして見せたが、その表情はどこか楽しげだった。

「もう、やめなよ。行こう」

「潤子さん、準備オッケー?」