四人法

「……っ…みんなが本当にいいって言うなら。……私も、やりたい」

「…潤子さん。じゃあ――やりますか。四人で」 

 暖はにこやかに微笑んでから、そっとみんなを抱きしめた。

「ありがとう。みんな」

 そう言って、暖は三人と輪になり、腕の中で彼らを包み込んだ。

「俺、泣きそう……」

 暖がぼそりと呟くと、さやかが優しく微笑んで答えた。

「泣いていいんだよ。暖、ありがとうね」

 そう言いながら、さやかは暖の肩をバシンと強く叩く。

「痛いって! さやかさん、ほんとに遠慮ないなぁ」

 暖は顔をしかめながらも、どこか嬉しそうだった。

 口角を上げながらも、暖は肩を痛そうに手でさすり、さやかの方にちらりと見た。

 その目には、一粒の涙が浮かんでいた。

 泣いていることを知られたくなくて、少し目を逸らしたけれど――暖にはすべて見えていた。

 だけど、暖は何も言わなかった。

「…ゴメンって。え? 拓さん泣いてるの?」

「なんで拓さんまで泣いてんのよ」

 潤子は呆れたように言い、ぽかんと口を開けた。

 その様子に、みんなが思わず「あはは」と笑いあう。

 空気が、少し軽くなった。

 四人法。 

 まだ国には存在しない、新しい形の絆。

 けれど、民間から始めて、実績を積めば――いつか法律にできるかもしれない。

 この制度を作って実現するまでは、早くて五年――いや、十年はかかるとも言われている。