「……暖。私もね、今の生活には満足してるし、できることならずっと一緒にいたい。だけど、四人でずっといられる保証なんてないのも、正直なところ。それにそういう形を作るってことは、逆に縛りになってしまうかもしれない。誰かが離れたいって思った時、重荷になる可能性もある……。私はこの生活が好きだからこそ、形にすることのリスクも考えてる。わかる?」
潤子の声には、暖を否定するつもりはないけれど、現実も見てほしいという気持ちがにじんでいた。
「そんなこと、俺だってわかってるよ」
暖は潤子からスマホを受け取り、次の資料を開いて見せた。
「…でも…俺は、彼氏ともいたいし、この四人ともいたい。彼氏とはいずれ同性婚を考えてるけど、その上でこの四人とも一緒に暮らしたいんだ。それって、誰かを犠牲にせずに済む選択じゃない? 俺たちにとっては、ウィンウィンになると思ってる」
暖の目には強い決意が宿っていた。
「……私はこれ理想だけど、本当にできるのかな」
さやかと拓は顔を見合わせる。
そして、潤子がぽつりと呟いた。
「……私はね、こういうの理想だと思ってるよ。ずっと、みんなでいられたらって。でも、それが現実になるかは……本当にできるのかな」
拓も同意したが、現実的に難しいことは分かっている。
やりたいことはやりたいが、どうしたものかということだ。



