四人法

「開けてみて」

 暖は少し笑いながら、拓に視線を向けた。

「どれどれ…なにが出るかな~♪」

 拓は鼻歌まじりに袋を開け、嬉しそうに中身を取り出した。

「…これは……」

「そう。前欲しいって言ってたクッション。これあるだけでもリラックスできるって言ってたでしょ?だから、買ってきたの。あげる」

 暖は「どう? 嬉しいでしょ?」とでも言いたげなでフンッと鼻を鳴りしそうになっていた。

「暖、気持ちはめちゃくちゃ嬉しいいんだけどさ……これ、持ってるのよね、ほら、これ」

 拓はパンツのポケットからスマホを取り出し、写真フォルダを指でスクロールして探し始めた。

「これ」

 拓が見せた写真と今持っているクッションを見比べると―――まったく同じだった。

「…あ、ゴメン」

 暖が申し訳なさそうに呟く。

 さやかは両手を叩いて、みんなに向かって言い放った。

「大丈夫だよ。クッション二個あっても観賞用として使うから」

「観賞用? それって使うってこと?」

 暖は首を傾げながら、拓に聞き返す。

「そう、使うってこと。見るだけでも嬉しいし、癒されてるから見て楽しむから」

 拓は暖からもらったクッションを優しく抱きしめ、穏やかな笑みを浮かべていた。

「…よかったね、拓さん」

 さやかはうんうんと頷いて、隣の潤子と肩を組んだ。

「じゃあ、気分を変えて、何か頼もうよ。ちょうど、お昼くらいだし。ピザとかどう?」