「僕はね、ただ見守ってたよ。暖のことを。そのあと、僕が誰にも言いふらしてないって知って、暖の方から話しかけてくれたんだ。“あなたなら信じられます”って……あれは嬉しかったなぁ」
拓は懐かしむように頷き、腕を組んだ。
「……そんなことあったんだ」
潤子は目を丸くして、拓のことを見つめた。
「まぁ、暖はあんまり自分からは言わないけどさ。僕たち三人のことは、ちゃんと信用してると思うよ。出会って三年になるけど、前よりずっと笑顔が増えたと思う」
拓と暖は出会った年数は私達より長い。
でも、その時間の長さ以上に、大事に積み重ねてきた信頼と気持ちが、言葉から伝わってきた。
「そうだね。私と出会ったときなんて、倒れてたからね……それも失恋した時だったもなぁ」
さやかも思い出したようにニヤニヤと笑みを浮かべながら言った。
「……いいなぁ…」
「どうしたの? 潤子は」
拓はボソッと呟いた潤子の言葉を聞き、そっと問いかける。
「みんなさぁ、恋愛してるよね、何気にね」
「本当、どうしたんですか? 潤子さん」
さやかは急に弱気になった潤子に心配そうに見つめていた。
「……私、まだ男性が怖いんだ。前から言ってるけど。そろそろさ、そろそろ克服しなきゃいけないのに……前に進めてないの。さやかも拓さんもさ、いい人いるじゃん。何気にさ」



