四人法

 潤子は「あー」と首筋に手を当て、あまり話したくなさそうな様子を見せた。

「ごめんね。話したくないなら無理に聞かないよ」

「大丈夫。ちょっとね、めんどくさい職員が入ってきてさ。まったく他の職員とコミュニケーションとらなくて、勝手に一人で動いちゃうの。それのフォローがが大変で……」

「うわぁ、それはきついね」

 さやかはテーブルの上にあったお菓子を一つ摘まみながら相槌を打つ。

「んで、どうするの? その職員さん」

 拓は体育すわりのまま、潤子の話に耳を傾けていた。

「うーん、分からないけど。多分まだしばらくはいると思う」

「……それは嫌だね」

 暖はもぐもぐと、ひたすらどら焼きを食べていた。

「…あっ…彼氏今来てる」

 急に携帯を見た暖は、天気が晴れたかのようにパァと表情が和らげた。

「彼氏さん、今どこいるの?」

「うんと……この家の近くらしい。俺、ちょっと出てくるね」

 そう言うと、暖は早口で言い残し、早足に家を出て行った。

「……暖。幸せそうだね」

「そうだね。うまくいってるんだね。この前なんてわぁわぁって言いながら、私たちに問い詰めるように話してたもんね」

「ねぇ、本当。あの時はどうなるかと思ったよ」

 潤子とさやかはソファーに並んで座り、しみじみと話していた。

 その様子を聞いていた拓は、二人の話が一段落したところで口を開いた。