「それならよかったです。では、失礼します」
女性はその場を去ろうとした時、男性が声をかけた。
「……あの……このあとご予定はありますか?」
「え? いえ、特にないですけど……何か?」
女性が問い返すと、男性は少し照れたように笑って言った。
「じゃあ、良ければ……喫茶店でも行きませんか?」
そして、二人は近くの喫茶店へと向かった。
その喫茶店にはすでに他の二人がいた。
女性と男性以外にもいた。
一人はさやか、もう一人は暖。
女性の名前は潤子。
公務員で事務職をしているという。
この四人が初めて揃ったのはさやかが拓と出会ってから一年後のことだった。
*
「懐かしいよね。私たち、初めてここで会ったんだもんね」
まだ少し酔っているのか潤子はリビングに飾られた全員で写った写真を手に取り、ぽつりと呟いた。
私たちは帰宅後、リビングでくつろいでいた。
「ねぇ、本当に懐かしいよね。うちらも若かったなぁ」
さやかは潤子の隣に座り、懐かしそうに微笑む。
「まだ俺は若いし」
「あ、またそういうこと言う~、暖は……」
呆れたように言いながら、拓は立ち上がり、キッチンへと向かう。
冷蔵庫から水を取り出して、ペットボトルのキャップをひねって飲んでいた。



