____ ☓☓☓☓から、一件の着信___
『突然すみません。☓☓です。
**くん、お元気ですか?』
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死なないでいてほしい、といつも思っていた。
彼女を包む漠然とした不安を、拭い去ってあげようと思っていた。
消えたいと震える夜には、手を繋いでそばにいてやりたいと思っていた。
きみに生きてほしいのだと、何度も伝えたかった。
『先輩』
控えめで、泣きたくなるような笑顔が、大好きだった。
桜が舞って、どこかであの日の香りを探す。
────彼女と別れてから、4度目の春がきた。



